| 日本酒「土田(つちだ) 生酛(きもと)」とは
「土田 生酛」この蔵で造られるお酒は**100%が「純米酒」**であり、**100%が伝統製法である「生酛造り」**です。
最大の特徴は、一般的な酒造りでは常識とされるものを次々と覆している点にあります。すなわち、**「米を磨かない」「酵母を添加しない」**という、醸造の原始に立ち返るかのような、極めて独創的で自然な酒造りを貫いていることです。その結果、現代の綺麗でフルーティーな日本酒とは全く異なる、複雑で力強い、米の生命力を感じる味わいが生まれます。
コンセプト:「米と水と人だけで酒を造る」― 醸造の原始への回帰
土田酒造のコンセプトは、**「すべての原料が造り手たちの目の届く範囲にあること」そして「自然の微生物の力を信じ、何もしないことをする」**という考えに集約されます。
- 酵母さえも無添加: 通常、安定した酒質のために優良な「培養酵母」を添加しますが、土田酒造はそれを一切行いません。蔵に自然に棲みついている**「蔵付き酵母(野生酵母)」**が麦汁に落ちてくるのを待ち、その力だけで発酵させます。そのため、味わいは毎年異なり、まさに一期一会の「自然の産物」となります。
- 米を磨かないという哲学: 「米の個性は、削り取られる外側にある」という考えのもと、あえて米をあまり磨きません。精米歩合90%(米の表面を10%しか削らない)などが主力商品であり、米が持つ脂質やタンパク質、ミネラルといった要素をすべて「旨味」として酒に溶け込ませることを目指しています。
味わいの特徴とこだわり
- 生酛(きもと)造りへの絶対的こだわり: 蔵付きの野生酵母という、非常にパワフルで予測不能な微生物をコントロールするためには、強靭な酒母(しゅぼ)が必要です。伝統的な「生酛造り」は、空気中から自然の乳酸菌を呼び込み、力強い酸を生成することで、雑菌を淘汰し、屈強な酒母を育て上げることができます。
- 複雑で多層的な味わい: 上記のような製法により、味わいは非常に複雑になります。ヨーグルトやチーズのような乳酸系の香りに、炊いた米やきのこ、時には土のようなニュアンスが重なります。口に含むと、しっかりとした甘みと、それを支える非常に高く力強い酸味、そして豊かな旨味が渾然一体となって押し寄せます。
|
コメント